1. Home>
  2. 明和SSH>
  3. SSHサイエンスツアー2019

SSHサイエンスツアー

平成27年度以前は、SSHアラカルトとして募集していました。

◇令和元年度 SSHサイエンスツアー

 本年度は、新たに「神岡研修」を加えるとともに、複数の「サイエンスツアー」に参加できるように、日程の調整及び講座内容の調整を図りました。また、授業や他のSSH事業とのつながりを意識し、「サイエンスツアー」の改善に取り組みました。こうした取組の結果、どの「サイエンスツアー」も盛況で、生徒は「サイエンスツアー」を通して、広い視野で、すべての現象をとらえる視点を身につけ、課題探究に必要な『探究心』を高揚させることができました。

講座一覧

番号 講座名 期間 場所・講師(敬称略)
101 つくば研修 7月24日(火)~26日(木) ・茨城県つくば市
  気象庁 高層気象台
  宇宙航空研究開発機構(JAXA)
  筑波宇宙センター
  産業総合研究所
   講師:首席研究員 藤井 賢一 ほか
  高エネルギー加速器研究機構(KEK)
   講師:特別栄誉教授 小林 誠 ほか
・茨城県石岡市
   気象庁 地磁気観測所
   講師:観測課職員 長町信吾
 7/16(火)は、中央公園の散策から始まります。し、ノーベル賞受賞の日本人科学者の銅像が置かれている公園を歩くだけで、研究学園都市の雰囲気を感じることができるでしょう。その後、気象庁 高層気象台を訪問し、施設見学をします。天気予報だけではない、気象庁の役割に気付くことでしょう。その後、宇宙航空研究開発機構(JAXA) 筑波宇宙センターのセキュリティーエリアの見学ツアーに参加します。上手くすると国際宇宙ステーション(ISS)やアメリカ航空宇宙局(NASA)と連携して研究を行っている日本の宇宙開発の心臓部を目の当たりにすることができます。もしかすると、宇宙飛行士も目の当たりにできるかもしれません。また、スペースドームの見学も行い、ISSの日本の実験モジュール「きぼう」の実物大模型で宇宙開発について学ぶことができます。
 7/17(水)は、まず、産業総合研究所を訪問します。「産業総合研究所?いったいどんなところ?」と、思った人が多いのではないのでしょうか?ここは非常にタイムリーな訪問地です。実は、去る5月20日に、1kgの定義が変更されました。この変更に大きく関わっているのが、産業総合研究所なのです。「単位とは何なのか?」簡単そうで難しい問題について研究者の方が講義をして下さいます。その後、2008年ノーベル物理学賞受賞者で本校卒業生の小林誠先生が特別栄誉教授として活躍される高エネルギー加速器研究機構(KEK)を訪問し、さくらサイエンスプランにより招聘された留学生とランチ交流を行い、留学生とともに小林誠先生から英語の講義を直接聞きます。自分の科学力・英語力の力試し、分からなくても大丈夫、きっと明和から世界に羽ばたく自分を想像する素敵な時間になるでしょう。また、BelleⅡ実験が始まり話題のBファクトリーと放射光科学研究施設を見学します。「宇宙はどうして始まったのか?」「どうして我々は存在するのか?」といった、壮大な宇宙や物質についての最先端の研究に触れます。
 7/18(木)は、気象庁 地磁気観測所を訪問し、実習を行います。天気が良ければ地磁気の測定を観測所の庭でやってみましょう。雨でも、職員の方が実習を準備してくれています。歴史のある施設ですが、火山が多くある日本にとって非常に重要な研究を行っている施設です。楽しみながら地球が今もなお生きていることを確かめましょう。
 行き先は日本の茨城県ですが、そこで学ぶのは、ミクロからマクロ、地球内部から宇宙の果てまでを対象とします。壮大な旅に多くの人が参加してくれることを願っています。
102 東大研修 7月24日(水)~25日(木) ・東京都立川市
  国立国語研究所
   講師:教授 浅原正幸ほか
  国立極地研究所
・東京都文京区
  東京大学
   講師:東京大学理学系研究科生物科学専攻
       教授 塩見美喜子(本校卒業生) ほか
  7/24(水)午後は、国立国語研究所にて浅原 正幸先生の講義を受け、国立極地研究所では「南極・北極科学館」を見学します。国立国語研究所の講義では、コーパス(言語を分析するための基礎資料として、書き言葉や話し言葉の資料を体系的に収集したもの)の開発に携わった先生から、「日本語学」にもこういう世界があるというお話をうかがう予定です。文理の区別にとらわれず、探究活動のヒントを探しに行きましょう。また、国立極地研究所の「南極・北極科学館」では、南極や北極でどんな観測研究活動が行われているかが紹介されています。本物を見て、触って、極地を感じてみてください。
 7/25(木)は東大理学部の塩見 美喜子先生の研究室を訪問し、研究者の方から講義を受けます。また、グループに分かれて生物実験(選択)に取り組みます。昨年の実習内容は以下のものでした。
 ① PCR法による遺伝子多型解析  ② ELISA(エライザ)法を用いたタンパク質の検出 
 ③ 遺伝子工学の基礎(DNAを切ってみよう)  ④タンパク質の精製  
 ⑤ 細胞染色-抗体を用いて細胞内タンパク質を見てみよう  ⑥ 酵素のはたらきを調べよう  
 ⑦ RNA抽出  ⑧ 免疫沈降
ぜひ、大学の研究室での高度な実験を体験してみてください。
103 神岡研修 7月28日(日)~29日(月) 岐阜県飛騨市神岡町
  スーパーカミオカンデ
  KAGRA
   講師:東京大学宇宙線研究所
       附属重力波観測研究施設
       施設長 教授 大橋正健(本校卒業生)
                           ほか
  神岡鉱山資料館
  カミオカラボ
 飛騨市神岡町にある神岡鉱山の地下深くに整備されている宇宙素粒子研究施設「スーパーカミオカンデ」、及び重力波観測施設の「KAGRA」を訪問し、宇宙の謎に迫る世界最先端の研究施設で行われている研究に触れます。また、「神岡鉱山資料館」の訪問や天体観測を行い、神岡鉱山の歴史や天文学についても学び、得られた知見・情報をもとに、自己の探究心の質的向上をはかります。研修日程は以下のようになっています。
 7/28(日) 午後:神岡鉱山資料館、高原郷土館、神岡城の見学
        夕食後:流葉スキー場にて天体観測(講師:井階 正治 先生)
 7/29(月) 午前:スーパーカミオカンデ、KAGRA見学(大橋 正健先生の案内)
          午後:ひだ宇宙科学館、カミオカラボ見学
104 京大研修 8月7日(水)~8日(木)
・滋賀県草津市
  滋賀県立琵琶湖博物館
   講師:学芸員 芳賀 裕樹
・京都市伏見区
  京セラファインセラミック館
・京都市左京区
  京都大学数理解析研究所
   講師:助教 室屋 晃子
  京都大学総合博物館
・京都市上京区
  北野天満宮
 8/7(水)午前中は、滋賀県立琵琶湖博物館を訪れます。課題探究理科分野の課題研究を進める上で参考となるように、琵琶湖の生態系を通して「陸水物理化学」が専門の芳賀 裕樹先生から講義を受けます。また、講義後はたっぶり博物館の見学の時間を取っています。琵琶湖の自然と人間生活との関わりから、課題探究人文分野のテーマが見つかるかも知れません。さらに、この日には、京都市内の京セラファインセラミック館・京セラ美術館での見学を通してファインセラミックの特性や用途について研修します。ここでは、テクノロジーだけでなく、京セラの成長を通して難解な課題に挑戦していく研究の姿勢についても学びます。
 8/8(木)午前中は、数理解析研究所を訪ね、その概要の説明を受けた後、数理解析研究所に所属する室屋晃子先生から講義を受けます。講義内容は、「これも数学なの?」と驚く内容です。なお、この数理解析研究所の研修にはNHKのEテレ(「又吉直樹のヘウレーカ!」)に出演されている鈴木 咲衣先生(東京工業大学)も参加されます。そして、京都大学が誇る京都大学総合博物館を見学し、自然科学分野だけでなく、他方面にわたって見識を広めます。さらに、午後からは北野天満宮を訪れ、算額を見学します。また、京都大学から北野天満宮に行くバス中で、算額について説明します。なお、算額については、7/29(月)の「数学 夏の学校」〔瑞陵高校〕でも講義があります。あわせて、受講することをお勧めします。

実施報告は、こちら(PDFファイル)をごらん下さい。